更新日:2024年12月3日

ドライヘッドスパに必要な「癒しの科学」とは

 

癒し業界と言われるほど、リラクゼーションサロンは癒しをテーマとしたお仕事です。

 

お客様の主観であったり、抽象的にも思える「癒し」ですが、癒しとは何でしょうか?

 

そして、癒しの向こうにあるものをご存じですか?

 

今回は、ドライヘッドスパに必要な「癒しの科学」について解説していきます。

 

東京会場代表講師(大八木)

この記事は以下のような人におすすめ!

  • 科学的根拠のある癒しのドライヘッドスパをしたい
  • ヘッドセラピストとして自信を持って働きたい
  • 施術しながら自分も癒されたい

執筆者:一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 東京代表 大八木さとこ

癒しを科学するヘッドの画像

ドライヘッドスパだからこそ、癒しへの理解が必要

 

ドライヘッドスパサロンには、頭が疲れているお客様が多くいらっしゃいます。

 

頭の疲れは、日常のストレス、考え事が多く眠れない、またはイライラといった様々な原因があります。

 

ドライヘッドスパサロンは、ボディケアサロンとは異なり、肉体的な疲れよりも精神的、つまり脳の疲れを抱えるお客様が主な対象になります。

 

そのため、ドライヘッドスパによる癒しの効果を科学的にお伝えする際には、「頭の疲れ」=「脳の疲れ」と置き換える必要があります。

 

通常のリラクゼーションマッサージよりも、癒しへの理解が必要なのがドライヘッドスパのお仕事です。

 

ストレスホルモン「コルチゾール」とは

 

コルチゾールとは、副腎から分泌されるホルモンで代謝促進の作用があります。

 

そして、朝の起床時に最も多く分泌するコルチゾールは、朝の目覚めの準備として働くことでも知られています。

 

本来は、昼頃には血中から消えるものですが、ストレス過剰により多く分泌してしまうことで体内に留まり身体に不調をもたらします。

そういった理由から『ストレスホルモン』 とよばれるようになりました。 

 

<コルチゾールが増えすぎると>

  • 免疫力が低下する
  • 血圧、血糖値、コレステロール値が高くなる
  • 不妊をもたらす原因になる
  • 脂肪がつきやすくなる

 


癒しの「グルーミング」とは

 

癒しのグルーミングとは、心地よいふれあいによりオキシトシンを分泌し、ストレス解消をすることです。

 

ふれあいであるグルーミングが癒しの脳内伝達物質オキシトシンを分泌することが近年証明されています。

 

<正しいグルーミング方法>

オキシトシンを分泌するには心地よさが絶対条件になります。

 

気心知れた友達や同僚とおしゃべりをして一緒に過ごすことや、心地よいふれあいがグルーミングの効果があります。

 

ドライヘッドスパでは心地よい施術の「ヘッドタッチマナー」を心がけることと、サロンの雰囲気、セラピストの立ち居振る舞いを意識してお客様が心地よくなることを意識することが大切です。

 

<ヘッドタッチマナーとは>

ドライヘッドスパの施術で「頭の触れ方の心得」と考え、心地よく丁寧にすることを意識することが『ヘッドタッチマナー』です。

 

マナーとは礼儀作法であり、お互いが気持ちよく過ごせるように配慮することです。

 

苦手な人から受ける施術、不快な施術はストレスでしかありません。ドライヘッドスパの場合、お客様の大切で敏感な頭に触れるので最上級丁寧に行う意識が必要です。

 

ドライヘッドスパでストレス解消を目指すなら、ヘッドタッチマナーは必須です。

 


愛情ホルモン「オキシトシン」とは

 

オキシトシンはストレス中枢に直接作用して、ストレスホルモンといわれるコルチゾールの分泌を抑える効果があります。

 

つまりオキシトシンが分泌するとストレスの解消の効果が期待できます。

 

また分泌することで、その人との愛情や絆が深まるので愛情ホルモン、絆ホルモンともいわれています。

 

ヘッドマッサージの施術でも、オキシトシンは弱ったセロトニン神経を活性化してくれる働きがあります。

(参考:科学的根拠・検証結果!セロトニンとヘッドマッサージ!

 

<施術しながら自分も癒されたい>

オキシトシンは触れられている人より触れている人の方が、分泌量が多いといった研究データもあります。

 

お客様に心地よい施術をすることは、セラピスト自身のオキシトシンが分泌し、セロトニンが活性化する恩恵を受けています。

 

またオキシトシンが高いセラピストに触れられると触れられた人のオキシトシンレベルも高まる事が分かっています。

(参考:第46回教育セミナー(2021):「新しい日常における肌,体と香粧品の役割」 皮膚感覚と心 The Relationship of Skin Sense and Mind Abstract 山口 創 先生

 

<オキシトシンの動画>


幸せホルモン「セロトニン」とは

 

セロトニンは自律神経を整えたり、心の安定を保ったり、朝起きてから夜まで分泌し元気に活動できるように働く脳内伝達物質です。

 

脳のセロトニンは脳の指揮者ともよばれており、セロトニンが不足する「セロトニン欠乏脳」になると、心身に様々な不調が現れます。

 

<セロトニン欠乏脳とは>

セロトニン神経が活性化せず、セロトニン分泌が不足すると心や体に不調を招きます。

 

そういった状態に陥ってしまった脳を「セロトニン欠乏脳」とよびます。

 

セロトニン欠乏脳を解消するには、日常における「セロ活」が必要になります。

 

<セロ活とは>

生活の中で脳内伝達物質セロトニンを分泌するセロトニン神経を積極的に活性化することをセロ活といいます。

 

ドライヘッドスパの施術によってもセロトニン活性効果がありますが、セロ活は主に、次の3つにより行えます。

 

<セロ活の種類>

  1. 太陽の日差しを浴びる
  2. リズム運動(ウォーキング・腹式呼吸・咀嚼)
  3. グルーミング(触れ合いや、おしゃべりによりオキシトシンを分泌)

 

<セロ活アドバイザーとは>

お客様自身が抱える身心の不調の原因を理解していただき、セロ活による指導で健康に導くアドバイザーです。

 

セロトニンの活性化がなぜ重要かをセロ活アドバイザーとしてお伝えできるため、ドライヘッドスパのセラピストにも人気の資格です。

 

(参考:セロトニンを活性するヘッドマッサージ~有田教授からメッセージ~

 

<セロトニンの動画>


睡眠ホルモン「メラトニン」とは

 

太陽が沈むと分泌されるメラトニンは睡眠に関わるホルモンです。

 

メラトニンが分泌すると副交感神経に切り替わり、身体と脳を覚醒から睡眠へと導きます。

 

老化や成人病を促進させる活性酸素を除去する働きがあるのでアンチエイジングホルモンとも呼ばれています。

 

近年の研究では免疫を高める効果もあるといわれています。

 

<メラトニンの動画>

心と体の健康にして、生活の質を向上させる

 

心と体の疲労回復に大切な睡眠に関わるメラトニンの原料はセロトニンです。

 

昼間は人が活動しやすいようにセロトニンが分泌し、夜は休息のためにメラトニンが分泌します。

 

生きていくうえで受けるストレスは、オキシトシンが分泌することで解消されます。

 

これらのホルモンが必要な時にしっかり分泌されることで心と体が健康に導かれ、私たちの生活の質の向上が期待できるのです。

 

健康寿命という言葉があるように、いつまでも心豊かに過ごしたいものです。

 

<参考>

2019年における日本の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳ですが、健康寿命とはそれぞれ約9年、約12年の差があります。(厚生労働省:e-ヘルスネット平均寿命と健康寿命

 

【動画】セロトニンの第一人者・有田教授への質問

 

ヘッドライフのスクール卒業生から募集した質問を東邦大学名誉教授であり、セロトニンDojo代表の有田教授に伺った動画です。

 

沢山ある質問に丁寧にお答えしていただきました。セロトニン・オキシトシンについての解説もご覧ください。

 




まとめ(癒しの向こうにあるもの)

 

癒しとは心と体を休めるストレス解消のことです。

 

癒しを漠然とお伝えするだけでなく、癒しに関わるホルモンの働きがわかると、ドライヘッドスパで期待できる効果が伝えられるのです。

 

癒しの向こうにあるものは、ストレスが解消し、不安がなく元気に過ごして、しっかり休息できる生活です。

 

オキシトシン・セロトニンが分泌するドライヘッドスパで、毎日の生活の質が上がると人生も変わりそうですね。

 

私たちが提供する癒しが人生を変えるきっかけになれば幸いです。

 


講師|ヘッドセラピスト大八木(東京代表)

この記事の執筆者

一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会

東京代表 大八木さとこ

 

セロ活アドバイザー代表

セロトニンDojo認定セロトニントレーナー

睡眠健康指導士

感涙療法士

 

東邦大学の有田教授から直接指導を受け、メンタルヘルスケアの理論的指導や改善のためのエクササイズを指南するするセロトニントレーナーの資格を基に、科学的根拠がある癒しを普及するヘッドマッサージ講座や腸セラピー講座、セロ活講座などを開催しています。