更新日:2024年10月16日
過去に何度か「ドライヘッドスパをやるのに国家資格が必要か調べた」とスクール受講生から聞いたことがあります。
サロン業界未経験であれば、気になるテーマです。今回はドライヘッドスパと資格・免許について詳しく解説します。
執筆者:一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 理事長 江口征次
結論から言うと、ドライヘッドスパをするのに国家資格は必要ではありません。
リラクゼーションサロンで行うドライヘッドスパは、民間団体による資格の発行(民間資格)はありますが、国家資格ではなく、法律上、免許不要で行えます。
これからドライヘッドスパを勉強したい人にとっては、時間的にも金銭的にもハードルが低いのはありがたいことですね。
ヘッドセラピストは、体力も必要なく、比較的短期間で習得できるため、なりやすい職業として人気です。
美容室・理容室で行うシャンプーマッサージ・ウェットヘッドスパは、美容師免許・理容師免許が必要です。
シャンプー剤を使用して髪を洗い流す行為は、美容行為とみなされ公衆衛生上、国家資格である美容師免許が必要となります。
このことから、エステサロン等で行うクリームバス(バリニーズヘッドスパ)は、施術の最後にセラピストによるシャンプーはなく、お客様が自らシャワー室で洗い流すことがほとんどです。
免許とは、「ある特定の事を行うのを官公庁が許すこと(goo辞書より)」をいいます。
ドライヘッドスパを行う上で国や地方自治体の役所の許可は必要ありません。
施術免許が必要な資格は、医業類似行為とよばれる柔道整復師(整骨院)やあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師になり、いずれも国家資格です。
脱サラして、ラーメン店、カレー屋、カフェなどの飲食店をする人がいますが、調理師免許を取りに行く人はあまりいません。
それと同じで、リラクゼーションサロンで働くのにあん摩マッサージ指圧師の免許を取りに行く人はかなり少ないのが現状です。
もちろん、国家資格(免許)を取得した方が良いに決まっています。
しかし、調理師免許の取得者より、料理が上手い主婦がたくさんいるように、国家資格を持っていないセラピストの方が人気、または稼いでいるという例もあります。
個人の実力で何とかなる点では、良い業界ではないでしょうか。
整体・カイロプラクティック・ドライヘッドスパを含むリラクゼーションマッサージは、法的資格をもたない医業類似行為と分類されることがあります。
しかし原則は、サービス業です。医療ではなくサービス業として自覚し、安全で衛生的な環境で行うことが必要です。
整体やカイロプラクティックは、治療のイメージがありますが、治療ができるのは医師に限られており、医業類似行為の柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師でも行えません。
メディカル(medical)とは医師・歯科医師が行う医療や医学のことです。
コメディカル(co-medical)は、医業従事者のことで、看護師や薬剤師など病院で勤務している多くの資格者です。
医業類似行為の柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼師・灸師もコメディカルになります。
近年、ドライヘッドスパ(ヘッドマッサージ)は、心療内科や歯科医院でも行われるようになりました。
また、解剖学や運動学に精通している理学療法士、柔道整復師、東洋医学に精通している鍼灸師の先生方が、ドライヘッドスパをメニューとして取り入れています。
リラクゼーションサロンとは異なり、病状を抱えたクライアントを施術することはビフォーアフターが出やすく、
検証と結果、その考察によって大きな発見があるため、ドライヘッドスパはまだまだ価値のあるものとして発展し広く普及することが予想されます。
私のスクールにも、多くの医療関係者が学びに来ています。
彼ら医療関係者の活躍を応援するとともに、国家資格を持たないエステ・整体・リラクゼーションセラピストのサポートをしていきたいと思っています。
そのため、当スクールは、卒後のブラッシュアップ講座に力を入れており、多岐にわたる学びの機会を設けています。
サロン開業をすると事業所の運営管理者にもなります。
資格や免許の有無に関わらず、お客様の安全を守ることが第一です。
安全で清潔な環境で施術を行ってください。
個人情報の管理も必要です。
そして、ドライヘッドスパは、お客様の頭皮を直に揉みほぐすお仕事です。
頭皮は皮脂が多く、紫外線により酸化して炎症を起こしているケースもあるので事前に確認をしてください。
また、痛みや痒みなどの自覚症状がない程度に炎症(肌荒れ)を起こしている場合もあります。
施術後のトラブルにならないよう、くれぐれも手の消毒やブラシの消毒を怠らずに衛生管理に注意を払ってください。
リラクゼーションサロンで行うドライヘッドスパが国家資格になる可能性は極めて低いと思いますが、もし、そうなる日が来るとしたらどんな時でしょうか?
例えば、マツエク(まつ毛エクステンション)の施術に国家資格が必要になったのは2008年3月7日です。
それまでは、国家資格を持たずして行えていた施術でしたが、マツエク用の接着剤による健康被害が相次いだことにより、美容師法に基づき、美容師免許が必要となりました。
参考:まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について(厚生労働省)
このように日本政府は、私たち国民の生命・財産を守る必要があるときに動きます。
今後、ドライヘッドスパ業界で国民の安全や健康を脅かすトラブルが多く発生しない限りは、国家資格になることはないでしょう。
安全なドライヘッドスパでも受けてはいけない人がいます。施術の禁忌は事前にお伝えしましょう。
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会
理事長 江口 征次
ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家
ヘッドライフ等のWEBサイト管理者
2010年よりヘッドセラピスト養成講座を開始し、日本全国、海外からも受講がある人気講座を主催している。
このサイトは、スクール現役講師が東京都でドライヘッドスパ資格講座の受講を検討されている方に向けた情報を掲載しています。
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