更新日:2024年10月28日

ドライヘッドスパ資格を需要する光景

サロン開業ガイド|ドライヘッドスパの市場規模と需要・業界での位置づけ

2010年には、片手で数えるほどしかなかったドライヘッドスパサロンが今ではどうでしょう。

 

これからサロン開業を視野に入れたうえでスクール探しをしている方はどのように感じていますか?

 

そこで今回は、ドライヘッドスパを学びたいと思っている方にとって、気になる『市場規模や需要』についての考察となります。

講師(江口)

また、リラクゼーション業界におけるドライヘッドスパの位置づけについて解説します。

執筆者:一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 理事長 江口征次

ドライヘッドスパサロンの開業相談をする講師

ドライヘッドスパサロン開業の魅力

今、ドライヘッドスパがすごく人気で、ここ10年間で独立開業者が後を絶ちません。

 

ドライヘッドスパが独立開業に人気な理由をいくつかご紹介します。

 

ドライヘッドスパサロン開業の理由

  • 高額な開業資金を必要としないのでデメリットが少ない
  • 体力や筋力をあまり必要としないので安心
  • 高齢になっても続けられるメリットがある
  • 大きな広さは必要ないので自宅で開業できる
  • 近隣でライバルがまだいない
  • 健康と美容に関わることが出来る
  • 旦那の薄毛を何とかしたい
  • 自分がドライヘッドスパサロンで癒された
  • 自分もですが更年期で疲れている人のケアがしたい
  • 出張施術から開業ができる
  • マルシェや癒しのイベントから副業として開業できる
  • 近くのレンタルサロンで開業したい
  • 知り合いのサロンの個室が借りれるので
  • 美容師の仕事はやめてドライヘッドスパがしたい

一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会の聞き取り調査(2024年)

 

ドライヘッドスパの市場規模と需要

市場規模や需要をわかりやすく表しているのが店舗数です。

 

ドライヘッドスパ専門店は増えているのに「ハンドマッサージ専門店」は見かけません。

 

「腸セラピー専門店」もドライヘッドスパ専門店に比べれば、極めて少ないのが現状です。

 

これは何故でしょうか?

 

ホットペッパービューティーを運営する株式会社リクルートの発表によるとリラクゼーションサロンの市場規模は3,674億円です。

 

発表の中では、男女の「ヘッドスパ・ドライヘッドスパ」の利用率が2年連続で増加しており、利用者が増えていることが示されています。

 

これをお読みの方なら、ドライヘッドスパをメニューとして取り入れているサロンが増えたと感じていると思いますが、客観的なデータとしてみても間違いなく需要増加の傾向にあります。

 

引用:プレスリリースPRTIMES・2024年6月25日

 

講師(西口)
美容師の立場で言うと「ヘッドスパ」は元は美容院のサービスでしたが、ドライヘッドスパが登場してから、より発展したように思います。

 

美容師を辞めてスパニスト専門になる方もかなり増えました。

 

まだまだ増える需要・市場拡大へ

ドライヘッドスパの需要を表すイメージ画像

矢野経済研究所の2018年の調査(日経新聞2020年1月27日)では、リラクゼーションの市場規模は前年と比べ4.1%増加のの1,196億円とされています。

 

株式会社リクルートの2024年の発表では、3,674億円とかなり増加していますが、このまま今後も増え続けるのでしょうか?

 

延々と増え続けることは無いと思います。

 

しかし、ドライヘッドスパサロンの需要は、まだまだ増えて、市場拡大すると私(江口)は予測しています。

 

これからドライヘッドスパ資格講座で学ぶ方にとっては、そうあってほしいですね。

 

ドライヘッドスパの需要がまだまだ増えると考える理由を次に紹介します。

 

ランド研究所のHP画像
ランド研究所WEBサイト|睡眠不足による経済的損失

ドライヘッドスパが持つ、潜在的な市場規模は15兆円!?

2016年に発表されたランド研究所(米国)の調査結果によると、日本人の睡眠不足を原因とした経済的損失は、約15兆円になると発表されました。

 

このランド研究所の結果にもあるように日本人の睡眠不足(不眠)の大きさが、ドライヘッドスパサロンの需要に関わってきています。

 

ランド研究所:睡眠が重要な理由 - 睡眠不足による経済的損失 国別の比較分析

 

近年、世界的に「睡眠の重要性」が多く語られるようになり、疲労回復はもちろんのこと、乳幼児の発育から子供の成長や学習能力、社会人の生活の質の向上、アスリートのパフォーマンス向上など様々な効果が期待されています。

 

日本国内も例外ではなく「睡眠負債」という言葉が、2017年の流行語大賞にノミネートされたように、大きな注目を浴びました。

 

その後、日本人が持つ睡眠に対する意識・イメージが変わってきたように感じます。

 

その点、ドライヘッドスパの多くは、お客様に眠りをもたらすことや、睡眠の質を改善すること、すなわち「不眠の解消」が大きな目的の一つになるため、ドライヘッドスパ専門店の市場規模を大きくしている要因になっています。

 

そうしたことから、ランド研究所の発表を基に考えると、ドライヘッドスパサロンの需要はまだまだあり、供給が足りていない状況と推測されます。

 

「ハンドマッサージ専門店」や「腸セラピー専門店」に比べて、ドライヘッドスパの店舗数が多いことにも納得ができます。

 

ドライヘッドスパサロンの需要が多く、市場規模が拡大していく理由は、リラクゼーション業界にありながら睡眠・不眠業界にも身を置いているからです。

 

すなわち、ドライヘッドスパ専門店は、『不眠解消専門店』という位置づけになります。

 

スクール講師の画像
かつては浅田真央選手、そして今では大谷翔平選手も、マットレス選びや十分な睡眠時間の確保を重視しています。

 

アスリートが競技力を高めるために睡眠の質を重要視するようになったことで、「睡眠の必要性=ドライヘッドスパ」と広く認知される流れにもなったと思います。

 

地域によるドライヘッドスパの需要

ドライヘッドスパの需要は地域によって格差はあるのでしょうか?

 

東京や大阪、名古屋、福岡などの都心部は、人口という絶対数が多いため需要があるのは間違いありません。

 

その分、都心部はドライヘッドスパサロンが増えており、独自の強みや売りなどのコンセプトを持ったサロンが求められるようになっています。

 

ホームページやSNSを通して「当店のドライヘッドスパでこのようなお悩みが解消します」と多くの方々に発信して、「そうなんだ。知らなかった」と新たな需要を掘り起こす作業が必要になります。

 

まだ本当のドライヘッドスパの良さに気づいていない人々とは、どんな人でしょうか?

 

都心部でサロン独立開業される方は一度考えてみましょう。

 

さて、都心部以外の需要についてです。

 

都心部以外と言っても、地方都市から過疎地までがありますが、結論から申し上げると、都心部以外の地域もドライヘッドスパサロンが増えており需要があるのは確認できています。

 

前述にある通り、ドライヘッドスパは、睡眠の質を高めることで疲労回復やパフォーマンス向上に効果が期待されている施術サービスです。

 

そんな中、睡眠の質を下げ、睡眠不足を助長している原因の一つにスマホが挙げられます。

 

スマホから多く発しているブルーライトは、睡眠ホルモンとよばれるメラトニンを抑制してしまい睡眠の質の低下を招きます。

 

夜寝る前に寝室でスマホを見ていると、つい夜更かしをしてしまったことはないですか?

 

そういったことから体調を崩す人が多く、世界的にも深刻な社会問題となっています。

 

スマホは一人一台となった時代です。

 

都会と田舎において人口格差はあってもスマホ格差は少なく、ドライヘッドスパの需要は地方都市や田舎地域にも潜んでいます。

 

 参考:監視資本主義デジタル社会がもたらす光と影(Netflix)

 

スクール講師の画像
不眠は頭の疲れだけが問題ではなく、心の疲れも影響するといわれていますね。

 

情報過多の現代において、頭も心もストレスに晒されがちですが、“ストレスを逃がす術”や、“ストレスとの向き合い方”など、お客様の生活に寄り添える知恵と工夫を伝えることも、現代のセラピストには必要なのかもしれません。

 

日本人の5人に1人は睡眠に問題あり

厚生労働省のデータによると、日本人の5人に1人は、睡眠に問題を抱えていると言います。

 

スマホだけが悪者ではないですが、スマホ利用が社会的なインフラになってきたこともあり改善するのが難しくなっています。

 

日本における睡眠不足が及ぼす経済的損失が年間で15兆円あると発表されたのは、2016年のことです。

 

今現在はどのくらいになっているのでしょうか?

 

社会的にもスマホを手放せない現代において、求められるのが、スマホとの付き合い方です。

 

ドライヘッドスパサロンは、そういった方々をサポートするリラクゼーションサロンであることは、間違いありません。

 

スクール講師の画像
私たちは睡眠に関与するメラトニンの分泌を活性化し、質の良い睡眠ができるドライヘッドスパをしています。

 

グルーミング効果によりオキシトシンの分泌を促し、セロトニンがしっかり分泌することで、夜にはメラトニンが活性化します。

 

施術で寝かせることのみに注視するのではなく、お客様の夜の睡眠も意識しています。

 

ドライヘッドスパサロンの受講者6名

ドライヘッドスパサロンはまだ増える

 皆様のお住まいの地域にドライヘッドスパサロンはありますか?

 

「まったくない」「1件しかない」といった場合は、そのサロンは独り勝ちしている可能性があります。

 

その地域にないものは流行りやすいのは間違いありません。

 

私(江口)のスクール卒業生の話をします。

 

2015年、九州初のドライヘッドスパ専門店をオープンした人がいます。

 

人口2万人以下の田舎町ですが、他にはないサロンとして九州全土からご来店があったと報告を受けました。

 

四国の農家ばかりの田舎町でも同じようにやっていけています。

 

福井県や大分県の田舎町もそうで、珍しいと同業者が多く訪れるそうです。

 

2010年からドライヘッドスパ講座をしているだけに「○○県初」を挙げるときりがありませんが、私のサロンも開業当初は、新幹線や飛行機に乗って来てくれた人がいます。

 

旅行のプランの一つとして、ドライヘッドスパサロンをご利用になる方が複数いたのは驚きでした。

 

海外では、オーストラリアのシドニーにある自宅エステサロンのドライヘッドスパがとても人気で、その後、ドライヘッドスパ専門店を2号店として立ち上げたと聞いています。

 

当スクールは、サロン開業の報告義務がないためすべては把握しておりませんが、潜在的な需要があり、その地域にないサービスを展開することが出来たら、繁盛する可能性は高くなります。

 

ドライヘッドスパサロンが既に、何店舗かある場合でも、独自の強みや売り、コンセプトで新しいものとして展開していくことが出来れば繁盛サロンになることも可能です。

 

スクール講師の画像
私は東京担当ですが、ドライヘッドスパの看板をよく目にします。

 

いろんなサロンがあるので、これから学ぶ人はドライヘッドスパ巡りをするのオススメです♪

 

最後に

今回は【サロン開業ガイド】として、ドライヘッドスパの市場規模と需要、さらにはリラクゼーション業界での位置づけについてお話しました。

 

いかがだったでしょうか?

 

どちらにせよ、強みや売りを身につけ、地域近隣の新たな需要を掘り起こすことや、すでに存在しているドライヘッドスパサロンより魅力のあるサロン作りは必要になります。

 

今回のコラムが、現役ヘッドセラピストやこれからドライヘッドスパ資格講座で学ぶ人のお役に立てれば幸いです。

 


ヘッドセラピスト江口

この記事の執筆者

一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会

理事長 江口 征次

癒し以上を提供するドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家

ヘッドライフなど複数WEBサイトの管理人

2010年よりヘッドセラピスト養成講座を開始し、日本全国、海外からも受講がある人気講座を主催している。

 


講師|ヘッドセラピスト大八木(東京代表)

東京代表

大八木さとこ

セロ活アドバイザー代表

セロトニンDojo認定セロトニントレーナー

睡眠健康指導士

感涙療法士

科学的根拠がある癒し・セロトニン活性を軸に様々な施術の指導をしています。

 


講師|ヘッドセラピスト藤井

名古屋代表

藤井なおみ

睡眠ライフスタイルプランナー代表

睡眠健康指導士

食育アドバイザー

ヨガインストラクター

睡眠に悩みを抱える人々に向けて睡眠リテラシー(睡眠活用能力)を高める活動を提案しています。

 


講師|ヘッドセラピスト森脇

福岡代表

森脇ゆう

50代が対象の整体スクール アクトエール整体学院 学長

NPO法人日本ストレッチング協会 認定インストラクター

日本成人病予防協会 認定生活リズムアドバイザー

健康リズムカウンセラー

筋膜の繋がりを考慮したボディケア・ストレッチが得意です。解剖学の無料動画も作成しています。

 


講師|スパニスト西口

ヘッドスパ(美容・理容師)部門代表・大阪講師

西口まき

美容師

シャンプーソムリエ

日本成人病予防協会 認定生活リズムアドバイザー

健康リズムカウンセラー

タカラベルモントのYUME DX(ユメデラックス)を使用した日本初の整体ヘッドスパを行っています。