更新日:2025年3月8日

「愛とホルモンの科学」から考えるドライヘッドスパの可能性

「愛とホルモンの科学」から考えるドライヘッドスパの可能性

ドライヘッドスパ資格講座・東京代表の大八木さとこです。

 

今回は「愛とホルモンの科学」をテーマにリラクゼーションにおけるドライヘッドスパ(ヘッドマッサージ)の可能性について考察していきます。

 

人とのつながりや愛に関わるホルモンを知り、「愛とホルモンの科学」を理解することで、私たちヘッドマッサージセラピストが提供するドライヘッドスパの可能性がさらに明確になるでしょう。

 

東京会場代表講師(大八木)

では、ドライヘッドスパにおける「触れること」がどのように愛に関わるホルモンに影響し、どのように施術を深めることができるのでしょうか?

執筆者:一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 東京代表 大八木さとこ

 

愛の不足が心と体に与える影響

 

愛に関わるホルモンに『オキシトシン』があります。

 

オキシトシンは「愛情ホルモン」「絆ホルモン」とよばれ、人との触れ合いや信頼関係の中で分泌されるといわれています。

 

とくに恋愛や人とのつながりが与える影響は大きいといわれており、「愛の不足」とは、オキシトシンの分泌が減っていると言い換えることができます。

 

当スクールの受講生の中にも『大切な人を癒したい』といった理由で資格講座を受講される方も多くいらっしゃいます。

 

当協会にはヘッドマッサージ資格講座以外にも、腸セラピーハンドリフレクソロジーなどの資格講座がありますが、どの講座にもオキシトシンの話は欠かせません。

 

ヘッドセラピストをはじめとするリラクゼーションセラピストは知っておきたいホルモンの1つです。

 

この愛情ホルモンのオキシトシンが不活性になると、心と体に影響を及ぼし以下のような不調があらわれると考えられます。

 

  1. ストレスの増加
  2. 無気力、無関心、無感動
  3. 自律神経の乱れによる心や体の不調

 

これらの不調は、ヘッドマッサージ資格講座でも学ぶ『脳疲労』を招く可能性があります。

 

ストレスと愛に関わるホルモンの関係性を理解し、ドライヘッドスパやカウンセリングに活かしましょう。

 


 

愛情ホルモンの不活性とドライヘッドスパの可能性

 

では、上記の愛情ホルモンの不活性がもたらす影響と、ドライヘッドスパ(ヘッドマッサージ)をおこなうことで得られる効果とその可能性について、詳しく解説していきます。

 

※以下の内容は科学的なエビデンスが不明瞭な情報も含みます。リラクゼーショ ンを学ぶうえで見聞を深めるためのものであり、医学的な働きや効果を明言するものでは ありません。 

 

① ストレスの増加

人間の身体に不快な状態が続くと、ストレス中枢のはたらきにより、副腎からストレスホルモンといわれるコルチゾールが分泌します。

コルチゾールの過剰分泌は血圧や血糖値を上げ、体に負担をかけます。

さらに長期間にわたるストレスによって副腎が疲労すると、本来朝方に必要なコルチゾール分泌が減り、朝の目覚めが悪くなってしまう可能性があります。

 

ドライヘッドスパによって、愛情ホルモンのオキシトシンが分泌され、コルチゾールの抑制が期待できます。

その結果、睡眠の質が上がり、翌朝はセロトニンやコルチゾールもしっかり分泌することが期待できます。

当スクールの講座では、このメカニズムを科学的に学び、ドライヘッドスパの施術へ応用する技術を習得できます。

 

② 無気力、無関心、無感動

愛情やふれあいが不足し、心地よさを感じる機会が減ると、オキシトシンだけでなく、やる気を引き出す作用があるドーパミンや、心の安定に関与するセロトニンの分泌も低下します。

この状態が続くと無気力(やる気がおきない)、無関心(共感できない)、無感動(感情がなくなる)といった精神的な疲労につながると考えられます。

 

当スクールのドライヘッドスパは科学的根拠に基づきオキシトシンをはじめ、セロトニンやドーパミンの分泌を促すことが期待できます。

ヘッドセラピストとして、ただのリラクゼーションではなく、心の健康を支える施術を提供するために、当スクールの資格講座ではホルモンバランスの知識を深めるカリキュラムを用意しています。

 

③ 自律神経の乱れによる心や体の不調

愛情に関わるオキシトシンの不活性は、自律神経のバランスを乱し、不眠や免疫力の低下につながります。

とくに不眠は、体の回復力を低下させるため、慢性的な不調の原因となる恐れがあります。

 

ドライヘッドスパによるオキシトシンの活性化は、自律神経を整えるセロトニンや、入眠に作用するメラトニンの分泌を促します。これは当スクールのブラッシュアップ講座でも重要視している『癒しの科学』の内容です。科学的根拠に基づいた施術を習得し、お客様の健康をサポートすることを目指します。

 

これらの不調の背景には、スマホやSNSの発達による直接的な交流の減少や、身体的なふれあいの不足も考えられています。

 

ヘッドセラピストは手技テクニックに加え、愛情ホルモンの重要性や、ストレスが心身に与える影響について深く理解することが大切です。

 

当スクールでは、ヘッドセラピストとしての専門知識を学ぶ講座を提供し、資格取得を通じてより質の高い施術を提供できるよう力を入れています。


 

ドライヘッドスパが引き出す愛情ホルモンの力

 

ヘッドセラピストが引き出すのは愛情ホルモンのオキシトシンです。

 

ドライヘッドスパを行うことでオキシトシンが活性化し、次のような効果が期待できます。

  1. 触れることで安心感が生まれる
  2. リラックスすることでストレスホルモンが抑制される
  3. 温かなタッチが孤独感を和らげる

当スクールのカリキュラムでは『癒しの科学』として、自律神経が整うプロセスをホルモンの働きを通してお伝えしています。

 

オキシトシンの作用はそのプロセスにおいて重要な役割を担っているため、ヘッドマッサージセラピストは必ず覚えておきましょう。

 

① 触れることで安心感が生まれる

オキシトシンは、とくに心地よい肌の触れ合いによって分泌します。(秒速5センチ程度の速度がオキシトシンを分泌しやすい)

ドライヘッドスパは安心感や信頼感の効果のあるオキシトシンを効果的に分泌させる方法の一つといえるのではないでしょうか。

 

② リラックスすることでストレスホルモンが抑制される

ドライヘッドスパは、数あるリラクゼーションの中でも「極上の癒し」と称されるほどリラックス作用があるといわれています。

ヘッドセラピストが心地よく触れること(グルーミング)で、オキシトシンが分泌し、ストレスホルモンが抑制され、心の安定をもたらす効果が期待できます。

 

③ 温かなタッチが孤独感を和らげる

「心に働きかける温かなタッチ」として、言葉を超えたタッチコミュニケーションは、開放的な心を取り戻し、孤独感を和らげる作用が期待できます。

実際、当スクールのドライヘッドスパを受けた後に「実は~でした」「本当はこんなことがありました」と、心を開いてお話してくださるお客様が沢山いらっしゃいます。

 

当協会(一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会)の資格講座で学ぶドライヘッドスパは、愛に関わるオキシトシンを分泌し、東京をはじめとする都市部で心に不安や緊張を感じている方々にとって、強い味方でありたいと考えています。

 

愛が不足していると囁かれる現代において、東京の忙しい日常の中でも愛情ホルモンであるオキシトシンを引き出し、さらにホルモンを操るドライヘッドスパは、現代のニーズにマッチした施術といえるのではないでしょうか。

 


 

ヘッドセラピストとしてできること

 

では、ヘッドセラピストとしてオキシトシンの分泌をより促す方法をまとめてみました。

 

資格講座で手技を覚えたら、更に下記の3つことを意識してみましょう。

 

①ヘッドタッチマナーを意識した施術

②喪失感やストレスを抱える方へのケア

③五感を意識した環境づくり

 

それぞれのポイントを解説いたします。

 

①ヘッドタッチマナーを意識した施術

ドライヘッドスパ(ヘッドマッサージ)は、ただ「頭をほぐす」ものではなく「どのように触れるか」 が施術の質を大きく左右します。

 

■ヘッドタッチマナーの基本

マナーとは、人と人との関りを不快にさせない礼儀です。ヘッドマッサージセラピストとして、タッチにはマナーが欠かせません。

お客様の大切な頭に触れることを意識してドライヘッドスパにおけるヘッドタッチマナーを意識しましょう。

• 最初のタッチを丁寧に
  • 「これから癒しの時間が始まる」という安心感を伝える。
  • 髪を整える際も心地よさを意識する
  • 必要のない場所には触れず、無駄な刺激を与えない。

 

• タッチのリズムを一定に保つ
  • 触れるリズムがバラバラだと、お客様の脳は無意識に警戒モードに。
  • 一定のリズムで触れることで、オキシトシンが分泌されやすくなる。

 

• 手の温度を意識する
  • 冷たい手は、不快感や緊張を引き起こすこともある。
  • 施術前に手を温め、温もりのあるタッチを意識する。
  • 緊張は手が冷たくなりやすい。

 

• ヘッドセラピスト自身がリラックスする
  • セラピストの不安や緊張は、手を通じて伝わる。
  • 力みは指の強さとなってお客様に不快を与えてしまう。
  • 施術中は、ヘッドセラピスト自身が深い呼吸を意識し、穏やかな気持ちでタッチする。

■ドライヘッドスパに訪れるお客様の状態を把握する

ドライヘッドスパに訪れるお客様は、次のような状態の方が多いのが特徴です。

  • 呼吸が浅い
  • 力が抜けない
  • 緊張している
  • 冷え性である
  • 不安を感じている

ヘッドマッサージセラピストが緊張していては、お客様はさらにリラックスしづらくなります。

 

お客様が心から安心できるよう、セラピスト自身が落ち着いた状態で、愛ある心地よいリズムを大切に施術することが重要です。

 

② 喪失感やストレスを抱える方へのケア

喪失感や孤独感などのストレスを抱える方にとって、ドライヘッドスパは心を落ち着かせる大切なケアの1つといえます。

触れられることで愛情ホルモンを引き出し、心のバランスを整えるサポートとして期待できます。

 

■ ストレス緩和のためのゆったりしたリズム

資格講座で習得した手技を活かし、ヘッドタッチマナーを意識しながら優しくゆったりとした心地よいタッチとリズムで施術を行いましょう。

これによりオキシトシンの分泌が促進され、ストレス緩和の効果が期待できます。

ドライヘッドスパの可能性を最大限に引き出し、深いリラクゼーションへと導きます。

 

■ 「孤独感を和らげる」ための温かい圧

で安心感を 愛情を込めた温かく優しく包み込むようなタッチや圧を意識することで、安心感が生まれ、「大切にされている」という感覚につながります。

ヘッドセラピストとお客様の呼吸が合うと一体感が生まれます。

ドライヘッドスパの安心感(オキシトシン)と共感(セロトニン)の作用は、孤独感を和らげてくれるでしょう。

当スクールの資格講座では、施術におけるオキシトシンとセロトニンの重要性について学ぶことができます。

 

■ オキシトシンを増やすための言葉かけ

施術の前後に、お客様の気持ちに寄り添う言葉をかけることも大切です。

優しいトーンで、落ち着いたスピードで話すことで、よりリラックスしていただけます。

何気ない挨拶や「ありがとう」の一言も、お客様の心をほぐし、オキシトシンの分泌を促します。

 

※オキシトシンやセロトニンなどの作用によって得られる効果には個人差があり、感覚的な要素も含んでいます。そのため、リラクゼーションサロンで効果について誇張すると、医療効果と誤認されるケースがあるので注意しましょう。

 

③ 五感を意識した環境づくり

施術技術だけでなく、オキシトシンをより効果的に分泌する五感を意識したサロンの空間づくりや接客が大切になります。

当スクールのヘッドマッサージ資格講座では脳疲労の方へのアドバイスとして五感を刺激する事の大切さをお伝えしています。

五感をフルに活用し、感情を動かしてオキシトシンを分泌させていきましょう。

 

■視覚 〜目に映るものの心地よさ〜

落ち着いた照明や、ナチュラルなインテリア、清潔感のある空間を整えることで、安心感を与えます。

飾る写真は、自然風景やかわいい動物の写真はオキシトシンを分泌しやすいのも科学的に研究されています。

 

■聴覚 〜心を整える音の力〜

穏やかなBGMや自然の音を取り入れることで、お客様が深いリラックス状態へと導かれます。

ヘッドセラピストの声のトーンや話し方も重要です。

 

■嗅覚 〜香りで心を解きほぐす〜

香りはダイレクトに脳へ働きかけ、自律神経を整えます。

ストレス抑制効果や心や体への影響が大きいです。

当スクールのアロマヘッドセラピー講座では、香りの科学的応用を学ぶことができます

 

■触覚 〜安心感をもたらすタッチ〜

ヘッドセラピストのタッチは、お客様に直接的な癒しを届ける最も重要な要素です。

ヘッドタッチマナーを意識しましょう。

また、タオルの質感にもこだわり、触れたときに心地よい素材を選ぶことも大切です。

 

■味覚 〜施術後の余韻を楽しむ〜

ドライヘッドスパの施術後に提供するお飲み物も、お客様の満足度を高めるポイントの一つです。

施術の余韻を感じながら、セラピストとの会話を楽しめる時間になります。

 

五感を意識することで施術の効果はさらに高まり、オキシトシン効果により絆が深まり、お客様に「また来たい」と思っていただけるドライヘッドスパのサロンづくりができるでしょう。

ドライヘッドスパの可能性を活かした最高の癒し空間の提供につながります。

 

※ヘッドマッサージ資格講座の開業コースではサロンの環境づくりや接客スキルに関するカリキュラムもご用意しております。

 


 

まとめ】ドライヘッドスパの持つ力と可能性を提供します

 

今回は「愛とホルモンの科学」をテーマに、ドライヘッドスパ(ヘッドマッサージ)の可能性について、愛情に関わるオキシトシンをはじめ、ホルモンがもたらす影響と効果、またヘッドマッサージセラピストとしてできることをお伝えしました。

 

ドライヘッドスパは、「愛の代わり」ではありません。

 

しかしドライヘッドスパには、愛を十分に感じられないとき、不足しているオキシトシンを分泌させ、ストレスを抱える人たちの心や体を変える作用が期待できるのです。

 

私たちヘッドマッサージセラピストが提供する安心感のあるタッチ(触れること)は、愛に関わるホルモンに影響を与え、科学的に説明ができ、リラクゼーションを超えた価値を持ちます。

 

私自身、長年スクール講師としてドライヘッドスパに携わる中で「言葉のいらない癒し」「愛を伝えるタッチ」と何度も感じて講座でもお伝えしています。スクールの卒業生の体験談でもドライヘッドスパが心を動かした経験をたくさん伺いました。

 

愛とホルモンの科学を知った今、私たちは改めてドライヘッドスパの可能性を実感し、当スクールのヘッドマッサージ資格講座でもより深い施術を提供していきます。

 


講師|ヘッドセラピスト大八木(東京代表)

この記事の執筆者

一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会

東京代表 大八木さとこ

 

セロ活アドバイザー認定講座代表

セロトニンDojo認定セロトニントレーナー

睡眠健康指導士

感涙療法士

 

東邦大学の有田教授から直接指導を受け、メンタルヘルスケアの理論的指導や改善のためのエクササイズを指南するセロトニントレーナーの資格を基に、科学的根拠がある癒しを普及するヘッドマッサージ講座や腸セラピー講座、セロ活講座などを開催しています。