更新日:2024年10月16日
スマホ病の影響により、頭や目が疲れやすくなった時代となりました。
ドライヘッドスパの需要は高く、プロのヘッドセラピストを目指す方が多くなっています。
このページでは、ドライヘッドスパ独立開業後の気になる年収について解説します。
執筆者:一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 理事長 江口征次
スクールを始めて15年目に突入しましたが、「いくら稼げますか?」とストレートに質問されたのは10回もありません。
お金の話が苦手な方が多いのと、《いくら稼げるかは人による》と皆さんがお分かりだからです。
また、お金より自由な働き方を求めてセラピストになる方が多いのが特徴です。
だからこそ、収入について聞かれた際は、
「価格設定は決まっていますか?」
「月に何日働きますか?」
「お一人で働きますか?」
「ドライヘッドスパ以外のメニューは何かありますか?」
など、複数の質問をして深掘りすることになります。
まずは、年収よりイメージしやすい月収についていくつかのポイントに分けて考えていきます。
収入アップのポイントも参考になれば幸いです。
収入を計算するうえで基盤となるのが価格設定です。
今回はドライヘッドスパ60分コースについて考えます。
60分3,000円と6,000円、9,000円では、2倍、3倍と収入が異なります。
労働集約型なのがセラピスト業界であり、そのため肉体労働が伴います。
サロンの価格設定次第では、人の2倍以上の労働を強いられる、それとは逆に、人の半分働けばよいという現実が待っています。
それが独立開業というものと認識してください。
セラピスト一人のサロンで、しっかり稼ぐには価格設定を高く設定する必要があります。
ですが、一言で説明できるほど簡単なことではなく、実現するのも容易ではありません。
《どうやったら周りのライバルサロンより高い単価で集客できるのか》と独自の優位性を考え出し、それを実行することになります。
皆さんは、考えるところまでは出来るのですが、「私がやってもいいのかな」「私にはできないな」と思ってしまい、実際に行動に移せる人はこぐ一部です。
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会のサロン開業コースでは、単価アップの方法や高単価にするうえで必要な実績の作り方、スクールの実績を借りる方法までお伝えしています。
他の視点では、経費コストを下げることで、実質的には単価がアップしたのと同じ効果があります。
ヘッドセラピストの場合は材料費がないため、主に家賃を抑えたいものです。
売上単価は、1分あたりの単価を設定して10分いくら、60分いくらと出すものです。
1分毎の単価を出しておくメリットの一つは、「5分だけ延長したい」とご要望があった場合にすぐに計算しやすいことです。
関連:サロン開業ガイド|ドライヘッドスパの市場規模と需要・業界での位置づけ
ドライヘッドスパ業界の9割以上は女性です。主婦の方も多いですが、平日の昼間だけ営業して月収25万円を超えれば優秀と言えるでしょう。
一般的に集客が多く見込めるのは、土曜日と日曜日です。
「土日祝日は無理です。平日の夜も働けません。」というようであれば、当面の売上目標(オープンから半年)は、20~25万円ではないかと思います。
「最初は休みなしで働きます!」と意気込んでいる生徒さんもいますが、私(江口)もそうでした。
サロンの休みを【不定休】として、どの曜日の何時頃の集客が強い、または集客が弱いなど、リサーチするうえで良かったと思います。
サロン開業した最初の数か月は、お客様が0人の時もあったので毎日営業せざるを得なかったのもありますが、定休日の設定次第で収入アップが見込めます。
近年、長時間のスマホ使用が習慣となって夜中まで起きている人が本当に増えました。
しかし、東京や大阪の大都市でも人手不足のせいか、朝まで営業しているサロンがかなり減ってきています。
夜中のサロン需要が増えているのに供給が減っているのが現状です。
朝までとは言いませんが、夜中2時まで営業すると売上が倍増してもおかしくありません。営業時間を何時から何時までにするかも悩ましいですね。
オーナーセラピストのみで働く、おひとり様サロンが人気です。
1対1の接客で、他のお客様を気にすることなく会話を楽しめることが、より親近感が増し、リピーターの定着に繋がっているからです。
しかし、数年も経つと【売上の天井】にぶつかるかもしれません。
また、おひとり様オーナーのよくある悩みは、怪我や病気、あとは「休めない」ことです。
『こんな時、スタッフかいたらなぁ』と思うけど、人を雇うのは大変です。
しかし、大変なことを乗り越えてこそ成功は大きくなります。
事実、複数店舗を経営して現場を離れて悠々自適の生活をしている人もいるからです。
人を雇うのは何かと苦労がありますが、自分がサロンを使用していない時間帯に、他の誰かにサロンを使ってもらう【レンタルサロン】はいかがですか?
これならベッド1台のサロンでも実現できます。
定休日をレンタルサロンにする、または、17時で営業を終えて17時以降にレンタルに出すのもアリです。
レンタル料が家賃の足しになればありがたいですね。
2021年頃から、大手企業も副業OKが増え、大副業時代と言われるようになりました。
平日の夕方にお客様を1件だけ施術する方や、土日限定の週末起業も人気です。
そういった方を対象としたレンタルサロン・シェアサロンの経営もいいですね。
「ドライヘッドスパのみでサロン開業できますか?」と度々聞かれます。
逆に何故そうしたいのですか?と聞き返したくなります。
頭だけが疲れていて、他はいっさい疲れていない人を見つける方が難しいです。
商売の基本に【クロスセル】があります。
「〇〇を購入された方の多くは〇〇も同時に購入しています」といったフレーズを見聞きしたことは無いですか?
「ドライヘッドスパをご利用の方の〇〇%の方は腸セラピーも同時に利用されています」といった具合に、同時利用を促すこと必要です。
当然ながらお客様とWin-Winの関係であることが必須ですが、ドライヘッドスパ以外のメニューを用意して、セットメニューが作れるか否かでサロン売上は大きく変わります。
「ご一緒にポテトもいかがですか?」と同じ方法で必ず今よりも売上がアップすることは、ありとあらゆる業種で証明されています。
たくさんあるメニューから、組み合わせ自由というよりも、脳疲労解消コース・スマホ疲れ解消コース・自律神経改善コースなどを予め作成しておくと、利用率が高まります。
サロンが得意とするものや相乗効果が見込める提案をする方がリピート率もアップします。
「店長おすすめ」「人気No,1」も高い反応が得られます。
「あと1000円お支払いいただくとアロマヘッドセラピーに変更できますよ」「小顔ヘッドマッサージに変更できますよ」「育毛ケアコースが・・・」など、単価アップの取り組みを【アップセル】と言います。
個人的には純粋に施術やお客様との時間を楽しみたいので、クロスセルもアップセルも煩わしいので言いたくないのが本心ですが、セールストークとして割り切って導入しているサロンもあります。
日本中のサロンが、ドライヘッドスパ60分コースを1万円に設定すれは、ドライヘッドスパの世間相場は60分1万円になります。
しかし、それは現実的ではありません。ヘッドセラピストに転職する人が増え、供給過多になります。
また、ライバル店が1万円なら自分は5千円でと、お得感で勝負する人が一定数いるので60分コースの最低価格1万円などあり得ません。
価格は自由に決められるため、価格戦略が生まれます。
食べ物と同じで「安くて上手い」が一番に決まっています。どこよりも安くというのも価格戦略です。
しかし、労働集約型なのがセラピストの世界では、安くして数をこなすと、いずれ体を壊します。
価格は自由に決められるだけに悩みます。逆に自分で決めないといけない、自分次第といった部分が自営業のつらい部分かもしれません。
「金額をいくらにしたらいいですか?」「お客様からいくらいただけますか?」といった質問も多いですが、顧客ターゲットは決まっていますか?
とてもリッチなセレブしか来ることが出来ない、敷居が高いサロンを作りますか?
それとも誰でもお越しいただける庶民派サロンですか?
気持ちいいだけが売りのリラクゼーションサロンですか?
それとも症状改善まで取り組む結果追求型サロンですか?
60分6,000円ではなく、8,000円にできる理由は何ですか?
「当店が他より割高なのは〇〇だからです」と言える何かあるか?
つまり価格に対する正当性が鍵を握ります。それが見つかったら正しい金額設定ができるかもしれません。
周りを気にして、何となくの金額にしていませんか?
ドライヘッドスパの需要が高まり、日本全国に多くのドライヘッドスパ専門店ができました。
2017年ごろから、ドライヘッドスパ業界に目を付けたIT企業などがチェーン展開・フランチャイズ展開に乗り出しています。
それ自体は悪いことでは無く、むしろ業界が発展する上で良いことです。
しかし、思い起こせば、60分2980円のマッサージ屋が全国に増えたのは異業種からの参入でした。
全国展開をした後、1店舗につき仮に月5万円の売上が本部に渡ったとして、100店舗あれば月500万円になります。
資本があるサロンは数の力【薄利多売】でも成功できます。
そういった大手サロンをライバルと位置付けてしまう個人サロンが値下げをしてしまいます。
個人サロンは値下げをするのではなく、自分の価値を高めて自分を売っていくことをしてください。
結局のところ、価格相場を下げているのはあなたかも?
セラピストを儲からない仕事にしているのは、あなたかもしれません。
働き方によって差が大きいことは、ご理解いただけると思います。
副業ではなく本業として月に23日程度、セラピスト1人で働くと仮定して年収は、150万円~最大600万円ほどになります。
150万円以下は副業の部類かと思います。
家賃がいくらかかっているかなど、経費によって大きく変わるのも収入です。
スクール責任者として、スクール講師として、いくら稼げると明言するのは無責任だと思います。
こういったお答えになりますがご了承ください。
資格講座の教本の1ページ目に書いてある言葉が『お客様も自分も幸せに』です。
(旧テキストには書いていません)
自分の技術や知識でお客様を幸せにしたいと誰もが思います。
それができる自分を誇りに思うし、幸せを感じます。
もちろん、スクールとして皆さんの経済的自立・生活の安定のための応援もします。
しかし、お金だけが目的でしたら他の職業が良いかもしれません。
セラピストはお金以上に得るものがあり、ライフワーク(生涯を通じて取り組む仕事)となる素敵なお仕事です。
当協会は、人や社会に役立つヘッドマッサージを普及することで、ヘッドセラピストの社会的 地位の向上に寄与します。
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会
理事長 江口 征次
ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家
ヘッドライフ等のWEBサイトの管理者
2010年よりヘッドセラピスト養成講座を開始し、日本全国、海外からも受講がある人気講座を主催している。
このサイトは、スクール現役講師が東京都でドライヘッドスパ資格講座の受講を検討されている方に向けた情報を掲載しています。
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